純白のケープ
昨日、ワンコの葬儀でご自宅までお迎えに行きました。
行く前に資料を見ると
種類は小さなワンコ
「ちっちゃい子だな…
可愛かったろうな…」
そんな事をフッと思った
そしたらなんとなく胸がキュッとした
あ!駄目駄目!
感情移入しちゃ!
しっかりお引き取りしなくちゃ!
「私 やっぱり この仕事向いてないかな…やっぱり辛いな…」
そんな事を思いながら、到着…
インターフォンを押すと
中から男性の方が箱に入ったビニールごと抱えて来られました。
ゆりかごの事を伝えると
「いや、このままで」と言われ
車に乗せてくれました。
そして
奥様に伝票に記入して頂く間、お話をして下さいました。
「ずっと 癌でね …
亡くなる時も亡くなった後もずっと抱きしめていたんだけど…
しばらくすると身体のあちらこちらから … いろいろ たくさん出てきてしまって
それがかなりキツイ匂いになって
仕方なく、ビニールに入れたんです。
大好きな毛布にくるんでます」
と淡々と気丈にお話されました。
そして お別れの時
最後にその ビニールに包まれた我が子を愛おしそうに 優しく撫でていました
ビニールに包まれた
そのままのお別れが
あまりに辛く 不愍で
持ってきた 純白のケープを渡しました。
「かけてあげて下さい
可愛い天使にしてあげて下さいね」
と声を掛けると
サッと掛けて下さいました。
すると 黒いビニールに包まれ子が純白の綺麗な可愛い天使のケープに包まれました。
すると
一瞬 その女性の方の顔がほころび
「まあ!こんな…可愛いに…良かったね… ちゃんと向こうにいくんやで」と
何度も 何度も 優しく撫でて、そして 堪えていた 涙が溢れ出しました。
車が見えなくなるまで 涙を堪え見送る 姿に 最後に喜んで頂けて
良かった と思いました。
あのままではご家族様があまりに辛かったから…
預かった 大切な我が子は
その日の夜 純白のケープをまとい
虹の橋を渡りました。